北海道子供の歯を守る会道民公開講座「8020は子供の笑顔から」は4月23日(土)開催!

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テーマ「8020は子どもの笑顔から」

近年、子どもたちの「むし歯」は着実に減少してきていますが、依然として子どもたちが罹患する病気のトップは「むし歯」です。本公開講座では2人の専門家をお招きし、小児期のむし歯予防について、最新の知見を織り交ぜて解説を頂きます。

主 催:北海道子供の歯を守る会
日 時:令和4年4月23日(土) 14:15~16:10
会 費:参加(視聴)無料
申込方法:申込不要。当日「北海道子供の歯を守る会」公式サイト内
「道民公開講座」バナーからお入り下さい。
詳しくは本会公式サイト、Twitterをご覧下さい。
○公式サイト https://www.hokkaido-kodomonoha.com/
○公式ツイッター https://twitter.com/fTfo4lmyXrCOoQC

プログラム
○講演1 「むし歯リスクと予防法を知って、健康で強い歯を育てよう!」
福田 敦史 先生(北海道医療大学歯学部小児歯科学分野助教)
むし歯は、デンタルプラーク(歯垢)の中にいる細菌が酸を出し、歯を溶かす病気です。
昔からむし歯にならないためには、デンタルプラーク(歯垢)を除去する、すなわち「歯磨きをする」ことが一番であると教えられてきたかと思います。また、「甘い物を食べ過ぎない」こともよくいわれてきました。もちろん、歯磨きや甘い物を食べ過ぎないことも大切なことです。しかし、むし歯を防ぐためには、まず子ども一人一人のむし歯リスクになり得る要因を知ることがとても重要です。その要因に対して適切なアプローチをすることにより、極めて効率性の高いむし歯予防が可能となります。本講演では、各々のむし歯リスクの要因に対するむし歯予防法についてお話しします。
多くの子どもたちが、健康で強い歯を獲得できるヒントになれることを願っています。

○講演2 「むし歯のなりやすさは西高東低?」
齊藤 正人 先生(北海道医療大学歯学部小児歯科学分野教授)
歯の表面を覆うエナメル質が正常に形成されず、歯が生えたときから変色していたり、欠けていたり、表面が粗造でむし歯になりやすい歯の病気を、エナメル質形成不全といいます。その中でも乳歯、永久歯にかかわらず大多数の歯にエナメル質形成不全がみられる病気を遺伝性エナメル質形成不全症といって家族性に発症し、発生率はおよそ1万人に1人(0.0001%)と報告されています。一方、2000年以降に6歳臼歯と前歯(永久歯)に限局して認められるエナメル質形成不全が世界的に報告され、Molar Incisor Hypomineralization(MIH)というまだ日本語の名称もついていない病気が問題となっています。
MIHは家族性ではなく、症状にばらつきがみられ、審美的に問題のある変色程度のものから歯が大きく崩壊している症例もあり、その大部分に知覚過敏(しみやすい)があり、放っておくとむし歯になりやすいという特徴があります。発生率は2.9〜25%程度と世界各国でばらつきがありますが、遺伝性エナメル質形成不全症よりもはるかに発生率が高い病気です。千葉県のとある小学校で行った全生徒の調査と、演者が委員長として行った日本小児歯科学会臨床研究推進委員会の全国調査から、小児10人のうち1人〜2人(約10〜20%)がMIHであることが明らかとなりました。
MIHの原因は未だ明らかにはなっていませんが、発生する歯から考えて、胎児から1歳までに何らかの原因があり、小児もしくは母親の健康状態や栄養および生活環境が関わっていると考えられています。また上記の全国調査で、西日本の小児のほうが東日本で生まれ育った小児よりも、MIHの発生率が高いことも明らかになっています。この地域差は高齢者の骨粗鬆症の発症率とも一致します。本発表では審美的に問題がありむし歯にもなりやすいMIHの現在考えられている原因と、むし歯予防などの対応について概説いたします。