認定NPO法人ウォーターフロリデーションファンド 令和5年度 総会記念講演会 開催報告

 水道水とフッ化物を使った最良のむし歯予防法「水道水フロリデーション」を推進するために活動している認定NPO法人ウォーターフロリデーションファンドの令和5年度 総会及び記念講演会 “Dentists, be ambitious!”が2023年5月28日(日曜日)に札幌市の北海道歯科医師会会館において開催されました。新型コロナウイルス感染症等への感染予防に配慮し、対面とYouTube Liveによるハイブリッド方式での開催(会場内参加者26名、オンライン参加12名)となりました。 講演に先立ち、国会で歯科保健の推進に積極的に携わる山田宏参議院議員、島村大参議院議員からビデオメッセージで「お口の健康は全身の健康につながる。F洗口やフロリデーションなどのう蝕予防活動は重要であり、国民の理解を得るための啓蒙活動を継続することが大事。」との祝辞を頂きました。講演はう蝕予防に最も効果が高く、かつ低コストで実施できる水道水フロリデーションについて、それぞれの立場の講師から、とても有益なお話を聞くことができました。

講演1「国民には健康を、歯科医師には尊敬を」

                                  認定NPO法人ウォーターフロリデーションファンド事務局長 岩城倫弘先生

 講師の診療所のある笠置町の従来の歯科保健対策「治療の予算をしっかりつけよう」では、町の歯科保健状況が良くならなかった経験から、公衆衛生的手法であるフロリデーションの導入の必要性を痛感することになった経緯について、そして公衆衛生においては、国民や政治家に対して、職業的規律に従い専門的知見を武器に、粘り強く説明をしていくことこそ、歯科医師の正義であることについて解説されました。

○講演2「米海軍横須賀基地におけるフロリデーションの現状」

                                           米海軍横須賀基地 公益事業部施設管理課 嘉山千晴先生

在日米軍基地、特に横須賀基地の現況について解説されました。横須賀基地の水道事情、フロリデーションの歴史、フッ素注入装置、フッ素添加業務等に付いて詳しく説明し、日本でのフロリデーション実現に水道技術的な困難は小さいことについて解説されました。

○講演3「フロリデーション実現への課題と対策 ―健康社会のための公衆衛生におけるフロリデーションの意義―」            宮崎県中央保健所所長・宮崎県保健所長会会長 瀧口俊一先生

フロリデーション実現のための、法的根拠、ヘルスプロモーションとの関係、FDI、日本歯科医師会、厚生労働省、CDC等各保健機関のフロリデーションについての見解、フロリデーションの安全性についての最新のレビューに付いて詳細に説明されました。「未来からの使者である子どもたちを、親の経済的状況に左右されず、等しく健康に成長させていくこと。」また、「大人を含め、いつまでも自分の歯で好きな食べ物を美味しく食べられ、人々のQOLを向上させること。」「貧困、経済格差、健康格差。これらの対策の一つとして、水道水フロリデーションがあり、行政と地域住民の理解、歯科医師会等専門団体が協力し、う蝕のない健康社会を実現することの重要性」などについて解説されました。

○総合討議

 シンポジストから以下のような意見がありました。

・フロリデーションを実現するためには、まずフッ化物洗口を普及させ、国民の理解を得ながら地ならしすることが必要。

・行政は法律などの根拠が行動のベースになっているので、フロリデーションに関する法整備も必要。

・保健所長の医師の中で、自分くらい歯科保健に熱心な医師はいないと思う。これまでの行政経験から、フロリデーションをボトムアップ方式で実現を目指すのは難しい。トップダウン方式の方が上手く行くと思われる。