WHO (2003年・世界保健機関)が砂糖とむし歯との関係で報告 フッ化物を使用で、砂糖を摂取してもむし歯になり難い

●旅行中に巨大なアイスクリーム食べるオーストラリア人を見ると、むし歯の原因である砂糖を使ったお菓子や飲み物を美味しいと感じる人々から砂糖を取り上げるのはなかなか難しいことを思い知らされる。美味しいお菓子を作るには多くの砂糖が必要であり、人にとって砂糖は大切なエネルギー源の一つである。

WHOは、砂糖をむし歯の大きな原因だと報告「歯は酸度5.4以下で酸に溶ける」

●悪いことに、人の体の中で一番硬い組織である歯の表面のエナメル質は酸に弱く、酸度5.4以下になると唾液の中にエナメル質の結晶成分であるカルシウムやリン酸が溶け出す。これを脱灰という。だが酸性になった唾液が元のほぼ酸度7の中性に戻ると、再石灰化作用が働き、溶出したカルシウムとリン酸を元に戻す。フッ化物はそれを促進させる。

●むし歯予防における「砂糖とフッ化物との関係」について、WHOは次のような報告をしている。「むし歯予防にフッ化物を定期的に適切に利用」し、かつ「砂糖の摂取を制限した時」はむし歯を強力に予防出来る。しかし、「砂糖の摂取を制限した時でもフッ化物を定期的に適切に利用していない場合には、むし歯になる危険性が残る」というものだ。

オーストラリア、砂糖消費量日本の3倍、むし歯3分の1

●この報告が真実である事例は、「オーストラリアでは一人当たりの砂糖の年間消費量が53kgと、日本の3倍であるのに12歳児の一人当たりのむし歯の本数が0.8本と3分の1である。」ことである。

この国では、1953年以降、大都市でむし歯予防の為に水道水1トンに約1gという濃度でフッ化物を供給するフロリデーションという水道事業を普及させ、酸に強い歯を作り、再石灰化作用を促進することでむし歯予防を成功させてきたのだ。

ここでもフッ化物の再石灰化作用は砂糖の脱灰作用を強力に上まわっていることを証明している。